2012年 秋号

 

 

 

枇杷熟れるもう一度恋したくなり

    種田果歩

 

 もうこれは大人の恋ですね。

 

 

 

 

少年がさかなになる日夏休み

    つじ あきこ

 

  少年は、今は何にだってなれるのです。

  夢を忘れないで!

 

 

 

手花火や廻り将棋の傍らで

   辻 響子

 

 

  絵葉書の本の、真似っ子しました。

  まねっこは、真似っ子の域を出ません。

 

 

 

BARBAERへ犬と来ている金魚玉

    辻 水音

 

 

 金魚玉が、犬と歩いていたら、楽しい!

 でもこれは、決してそんな句ではありません。

 

 

ともだちは優しい夏至の夜のキャンドル

   はしもと風里

 

 

 こんな優しい友達がいたら、

 いじめなんて、起こらないよね。

 

 

 

顔写真つけて完熟玉葱ぞ

   畑田ほずみ

 

 

 この顔写真は、きっと笑顔

 農家の人が、笑顔でいられる日本がいい。

 

 

 

にこにこと青空市のトマトかな

   波戸辺のばら

 

 

 続きましたね、素敵な笑顔

 本当は、ミディトマトでなく、おっきいトマトだったかな?

 

 

 

茄子ひらけば控えめな句点句点句点

   林田麻裕

 

 

 三枚続けて野菜シリーズ。

 やはり夏野菜は、可愛くて美味しい。

 

 

 

緑陰のここじゃなくって君の横

   火箱ひろ

 

 

 絵葉書の俳句間違っている。

 今頃気づいてしまった。

 ここは、いやなのだ!!

 

 

 

羊になつたり獏になつたり熱帯夜

   松井季湖

 

 

 獏が、わかりませんでした。

 今年は、何夜、熱帯夜だったのでしょうか?

 

 

細胞にひたひた満ちて花月夜

   おーたえつこ

 

 

 

 科学者ですね。

 細胞なんて言葉、そう使えません。

 今度やってみようかな。

 

 

しゃぼん玉みんな写楽の顔をして

   鈴木みのり

 

 

 

 今度シャボン玉吹いている人を

 ジーっと、見てしまいそうです。

 そして、プッ!と笑いそうです。